足趾・足裏は体を動かすときに一番大切な場所です。
足趾・足裏は身体を前に進めるだけではなく、身体を正しく使うための土台となる場所です。
日常で調子が悪い部分をケアしても、すぐに元に戻ってしまうのは、足趾の機能低下によることが多く、連鎖的に次々と不調を起こす誘因になります。
足趾・足裏の問題を放っておくと、運動や日常ケアをしていても無駄になってしまうかもしれません。
全ての不調には、足趾・足裏の状態が関係していると言っても過言ではありません。
足趾を機能的に使うことで足の裏を整える→土台が整う→全身のバランスが整い→様々な不調の改善を目指す。
足趾が使えていないと全身の不調を引き起こすきっかけになっていきます。
それはなぜでしょうか??
足趾や足裏が一番下で身体を支えている部分→土台です。 土台の崩れは全体に連鎖します。
土台は家で例えると基礎の部分です。
基礎の部分が歪んでいたり、脆弱になっていたらどうでしょうか?
補強が必要になりますよね。この補強が余計な筋緊張を作ります。緊張状態が長年続くと、その周囲の組織はどうなるでしょうか??問題が起こりますよね。
実際に足趾が使えていていないと、、、
①足趾が浮いて重心が後ろにかかる
②重心が後ろになると上半身の重みが腰にかかる
③腰を守るために膝が前に出てしまう
④後ろ重心のままバランスを取ろうと首が前に出る
正しく使えていない足趾とは??
外反母趾や内反小趾の状態(写真参照) バランスが取れず、転倒のリスクも高い。タコや魚の目ができやすく膝などの関節も痛めやすいです。
足趾が機能せず、縮んで固まり冷え性を引き起こすリスクが高まります。
浮ゆび(写真参照)足の指が浮くと足全体が緩やかに反り返り、重心が後ろにかかりやすくなります。そのために腰痛や坐骨神経痛を誘発しやすいです。
実は私たちの、8割は足趾を使えていない??
桜美林大学にて10万人の足形を計測しました。その報告では、男性6割 女性8割の方が足趾の1本以上が浮ゆびになっていたとの研究結果が出ています。
浮ゆびになる主な原因
- 赤ちゃんのときにハイハイの期間が短く立つのがはやくなった。
- 多動性の動きがなくなった。(砂遊びや竹馬など)
- サイズが合わない靴、おしゃれ靴、スリッパなど
足趾を使わない環境下になったことが要因かと言われています。
浮ゆびとは??
立っているときや歩いているときに足趾が床や靴の底に接地していない状態。もしくは、接地していても力がほとんど入っていない状態で触れているだけの状態。
自分が浮ゆびでないかチェックしてみましょう
①立っている状態で足趾の下に紙を入れてもらう。簡単に入ると浮ゆびの可能性大!!
②上から見たときに足趾の爪が見えない
③小趾が外側に倒れている
④足の甲にスジが見える
⑤足趾がくの字に見える
足の解剖と機能について
足の骨の数は片足26個+数個の種子骨からなります。身体全体の骨の数が206個ですので全体の1/4に当たります。
なぜ??そんなに多いと思いますか?それは、衝撃の吸収と分散を効率よくするためです。
直立で二足歩行をする人間は、かなりの負荷が足にかかります。骨がいくつも重なり連結することで衝撃を受けたときに負荷の分散と吸収ができる仕組みになっています。
二足歩行をする動物にはチンパンジーやカンガルー、類人猿、恐竜などたくさんいます。しかし、足と胴体を地面に対して垂直に立てた直立二足歩行は人間だけです。
そして、人間が持っている特殊な構造、それがアーチ構造です。アーチ構造により全身を支え着地時の衝撃を和らげることをを可能にしています。
そもそもなぜ直立二足歩行になったのか?
進化の過程で脳が発達してきたために、両手を自由に使って様々なことが可能になってきました。そして、さらなる脳の発達と生活様式が変わり、重たい頭を支えるために直立歩行に進化せざる負えない状況になりました。
チンパンジーの足は扁平足です。長く歩くのには適していません。立っているだけなら問題ないですが、長く歩くことは不得意です。人が長く歩くことを可能にしているのがアーチ構造です。アーチが崩れるということは、身体を破壊する構造になってしまいます。
筋肉の構造
足裏アーチの役割 大きく3つ
緩衝作用 推進作用 支持作用
足裏には、歩行時にかかる地面からの衝撃を正しく吸収・分散する役割(緩衝)と、歩行時にバネのような働きをし、地面を蹴る動作の補助(推進)があります。そして、足根骨の連結がしっかりしていることでアーチが正しく形成される(支持)ので効率のよい位置で身体支えることができます。
足裏アーチの機能について
足裏には5つのアーチがあり、それぞれに役割があります。
① ゆびアーチ
体を支える面積を広げる役割です。踏ん張る力や蹴り出す力を高めます。特に足底筋群を普段から使えるようにするためには必須です。
② 前横アーチ
運動時の衝撃を吸収したり分散する役割があります。荷重時にアーチを低下させることで横に広がり衝撃の吸収や分散に貢献します。前横アーチの低下でタコや魚の目、モートン病の誘因になります。
③ 外側縦アーチ
立っているときに、体重を支えてバランスを取る役割があります。外側アーチの消失で内反小趾に影響します。
また、臀部痛や太もも外足の強い張りの誘因になります。
特にこのアーチのカギは立方骨にあります。立方骨は正常な状態では加重時でも直接地面に接地しない特殊な骨です。
④ 内側縦アーチ
運動時に姿勢の変化をサポートする役割があります。歩くときや動くときに衝撃を吸収します。
特に膝や下腿全体の疲れや突っ張りの誘因になります。
⑤ 足根骨横アーチ
運動時の衝撃を和らげ、外側縦アーチを支える役割があります。
加重時にアーチを低下させ、広がり衝撃の吸収や分散に貢献する。
5つのアーチ全てが連動し、体の機能を高めます。
どのアーチが重要とかではなく、足趾を満遍なくケアしていくことが大切です。足のアーチの崩れは、28個ある足の骨の崩れを意味し正しい位置で身体を支えられなくなってしまいます。
さらに足趾が使えない状態になると、その荷重が足裏の付け根で支えることになりそこに荷重がかかることで足の骨の連結が崩れてしまいます。
足裏アーチが機能するには足趾がカギ!!
足裏のアーチが正しく機能するためには、足の骨の連結が正しく組み合わさっていることが重要です。
足趾が使えていない状態になると、その荷重が足裏付け根で支えてしまいそこに荷重がかかることで足の骨の連結が崩れてしまいます。
ですが、足趾のアーチがしっかり形成されると骨の連結は正しい位置で身体を支えることができます。
余分な力が太ももやふくらはぎの筋肉にかからなくなります。逆に崩れていると常に不安定なので足の筋肉で支えようと余分な力が入ります。これが太ももの膨隆やふくらはぎのムクミに繋がります。
足裏に存在する感覚受容器
足底に備わるメカノレセプター
特に母趾の腹に多く、300ミリグラムの圧も感じることができる鋭敏なセンサーが働いています。
しかし、加齢と共に減少すると言われているので、足裏の感覚が鈍くなることで転倒のリスクに繋がります。
視覚が関与していなくてもこの感覚受容器が働くことで、環境に合わせて反射的に運動や位置情報を認識し作用してくれます。これらが働かないことで、脳への指令が認識されにくくなり、足の位置確認や運動動作に作用する力の対応のズレが生じていきます。それによりめまいや転倒がしやすい状況に陥ります。※転倒予防に超重要です。
健康な身体でいるために日常で気にすべき最重要な3点
足趾を使う 足底筋を鍛える 重心が正しい位置にある
ご自身に必要なケアは何なのか??まずは現状の確認が大切です。それをひたすらに修正→継続を繰り返していきます。諦めないで取り組んでいきましょう。
お客様それぞれで取り組む優先順序が異なりますので施術時にお聞き下さい!!