横隔膜があなたの身体を変える理由
──何歳になっても動ける身体をつくる「見えないコア」の科学
「最近、しっかり息が吸えていない気がする」「マッサージに行っても肩こりがすぐ戻ってしまう」……そんなお悩みはありませんか?
実は、その原因は**「横隔膜」**という、身体の中にあるたった一つの筋肉にあるかもしれません。
1日中、行っている呼吸。この呼吸の質を変えるだけで、姿勢が整い、何歳になっても軽やかに動ける身体が手に入ります。今回は、一生モノの財産になる「横隔膜の秘密」をプロの視点から分かりやすく解き明かします。
毎日、何気なく繰り返している「呼吸」。あなたは1日に何回呼吸をしているかご存知ですか?
実は、1日約2万回以上とも言われています。
この膨大な回数の呼吸を支えているのが**「横隔膜(おうかくまく)」**という筋肉です。でも、横隔膜の役割は酸素を取り込むだけではありません。姿勢を整え、体幹を安定させ、腰痛を予防し、全身のパフォーマンスを高めるという、まさに身体の根幹を支える存在なのです。
1. 横隔膜とは?──身体の「天井」としての役割
横隔膜は、胸部と腹部を隔てるドーム型の筋肉で、ちょうどパラシュートのような形をしています。
横隔膜の特徴
• 唯一の「呼吸筋」: 呼吸に直接関わる主要な筋肉
• 姿勢保持筋: 体幹の安定性に深く関与
• 24時間365日働く: 眠っている間も休まず稼働
• 自律神経と密接: 呼吸を通じてリラックス効果も
現代社会では、デスクワークやスマホの使用、ストレスにより多くの方が**「浅い呼吸」**になっています。実は、この浅い呼吸こそが、肩こり、腰痛、疲労感、姿勢の崩れなど、様々な不調の原因になっているのです。
2. 横隔膜の解剖学──どこに付いていて、どう動くのか
横隔膜は、以下の3つの部位から始まります。
1. 胸骨部: 胸の中央にある「剣状突起」の内側
2. 肋骨部: 第7〜12肋骨の内側面
3. 腰椎部: 第1〜4腰椎にかけて
チームワークで働く筋肉
横隔膜は単独で働くのではなく、腹横筋、腰方形筋、大腰筋、骨盤底筋群といった筋肉と密接に連結しています。これらの筋肉が協調することで、呼吸と姿勢の両方が成り立っているのです。

加齢と横隔膜の関係
40代以降、運動習慣がないと横隔膜の筋力も落ちてしまいます。しかし、横隔膜は何歳からでも鍛えられる筋肉です。N Shipでは70代の方も、トレーニングで『呼吸が深くなったと』と実感されています。
3. 呼吸のメカニズム──3段階で広がる胸郭
息を吸うとき、胸郭(胸の器)は3次元的に広がります。
• 第1段階(縦に広がる): 横隔膜が下がり、上下の空間が拡大。
• 第2段階(横に広がる): 腹圧が高まり、肋骨の下部が左右に拡大。
• 第3段階(前後に広がる): さらに深く吸うことで、胸の厚みが増す。
この上下運動は、血管の少ない**「椎間板」へ栄養を送り、潤す効果**もあります。正しい呼吸は、背骨の健康にとっても非常に重要なのです。

4. 横隔膜と姿勢──腹腔内圧(IAP)が鍵
姿勢の保持に欠かせないのが**「腹腔内圧(IAP)」**、つまりお腹の中の圧力です。腹腔は4つの壁で囲まれた「圧力の箱」のような構造をしています。
• 天井: 横隔膜
• 壁: 腹横筋
• 床: 骨盤底筋群
• 背面: 多裂筋
横隔膜が「天井」としてしっかり働くと、背骨が自然と伸び、腰への負担が減り、姿勢が美しく整います。
5. 横隔膜とコア──ピラティスの核心
ピラティスでは、これら深層の筋肉を「インナーユニット(狭義のコア)」と呼びます。
N Shipのアプローチ 『ローリング療法×ファンクショナルローラー』
ローリング療法では、腰の上部(L1〜L3)、肋骨の縁及び肋骨の間の硬さを緩めていきます。胸骨から鎖骨のローリングをかけて動きが出やすいようにメンテナンスを行います。
ファンクショナルローラーピラティス(FRP)では、フォームローラーを使用します。
あえて不安定な状態を作ることで、身体が自然とコア(横隔膜など)を使おうとする環境作り出します。
また、動きながら呼吸を続ける**「選択的呼吸」**を習得することで、単なる筋力トレーニングを超えた「機能的な強さ」が身につきます。

6. 横隔膜が機能しないとどうなる?
現代人の多くが陥っている「横隔膜の機能低下」。心当たりはありませんか?
機能低下のサイン
• 呼吸が浅く、すぐに息切れする
• 肩や首が上下する「肩呼吸」になっている
• 慢性的な腰痛や姿勢の悪さ(猫背・反り腰)
• 疲れやすく、集中力が続かない
• 便秘や自律神経の乱れ(不眠など)
7. 年代別:横隔膜機能低下の影響
• 30代: ストレス過多による「隠れ呼吸不全」。肩こりや慢性疲労。
• 40代: 代謝低下と姿勢の崩れ。メンテナンスを始める最適な時期。
• 50代: 更年期症状と自律神経の乱れ。体力の維持がテーマ。
• 60代: 健康寿命を延ばす「転倒しない身体づくり」。
• 70代: 日常生活動作の維持。無理なく楽しく動ける喜びを。
8. 実践!横隔膜を目覚めさせる方法
ピラティスの基本、**「ラテラル呼吸(胸式呼吸)」**に挑戦してみましょう。
1. 座るか仰向けになり、両手を肋骨の横に当てる。
2. 鼻から吸い、肋骨が左右・後ろへ広がるのを感じる(お腹は膨らませない)。
3. 口から吐き、肋骨が閉じていくのを感じる。
4. 吸う:吐く = 1:2 のリズムで5〜10回。

9. 呼吸が椎間板を潤す
横隔膜の上下運動は、椎間板を潤す効果があります。椎間板は背骨のクッションですが、血管がほとんどありません。そのため圧力の変化によって栄養が供給されます。
つまり、正しい呼吸をすることは、背骨の健康にも繋がりがあるということです。
10. まとめ──呼吸を変えれば、人生が変わる
横隔膜を正しく使えるようになると、身体に嬉しい連鎖が起こります。
呼吸が変わる ⇒ 姿勢が変わる ⇒ 動きが変わる ⇒ 人生が変わる!
N Shipでは、メンテナンスご利用の方限定で45分からのパーソナルセッションをしています。お一人おひとりの身体に合わせた指導を行っています。「何歳になっても動ける身体」を目指して、まずは1日5分の呼吸練習から始めてみませんか?



