腱鞘炎 手根管症候群 手指のトラブル

お知らせ

腱鞘炎

⚫️手首の腱鞘炎は大きく分けて二つ

手首の腱鞘炎は炎症が起こる位置によって2種類に大きく分けられます。手首の親指側で起こる腱鞘炎は『ドケルバン病』です。もう一つは、手指の腱鞘に起こるもので、親指や中指、薬指に多く見られ、押すと痛みを感じます。進行すると曲げ伸ばしが難しくなる『ばね指』です。

 

⚫️手指や手首が痛くなり、力が入らない

手指には、たくさんの小さな骨があり、細い腱で筋肉とつながっています。これらの細い腱は、指に沿って滑らかに動くように、トンネル状の構造をした腱鞘によって支えられています。(図を参照)

腱鞘炎は、この腱鞘に炎症が起こり、腫れや痛みが生じる病気です。

腱鞘炎の原因の一つは、手指の使い過ぎです。パソコンの操作や楽器演奏、スポーツ、家事などで、同じ動作を何度も繰り返して手指を酷使する人は、腱と腱鞘がこすれて腱鞘炎が起こりやすくなります。最近は、特にスマホによる腱鞘炎が増加しており、海外の調査では学生の42%が親指の付け根から手首にかけて痛みを感じているとの調査が出ています。

また、女性ホルモンの分泌が乱れる更年期や出産前後の女性、腱鞘や腱の組織が硬くなりやすい高齢者では、さほど手指を使っていなくても腱鞘に炎症が起こり、腱鞘炎を発症することがあります。

腱鞘炎は他の病気と間違いやすく、そのままにしておくと治りにくくなることがあるため、我慢のし過ぎは禁物です。

 

⚫️腱鞘炎は予防できる

腱鞘炎の予防には、手指や手首の同じ動作を繰り返しすぎないこと、過度な負担をかけないことが大切です。

腱鞘炎が起こりやすい条件に当てはまる人は、再発予防のためにも、ぜひストレッチを毎日の習慣にしてみましょう。初期のばね指の進行予防にもつながります。このほか、パソコンのキーボード操作時には手を置く台を使って手首を反らないようにしてみましょう。

工夫をして負担の減らすようにしましょう。特にスマホの長時間の使用は、腱鞘炎以外にも睡眠不足や目に過度な負担をかけるなどの影響がありますので、注意しましょう。

⚫️一般的な治療

腱鞘炎の治療の基本は、手首の安静と前腕部の筋緊張の改善です。

病院では、痛みを抑えるための薬物療法です。ローリング療法では、統一圧をかけることにより、筋肉の筋性防御を抑えることができます。手指専用のローリング器があり治療を行います。

薬物療法では、消炎鎮痛薬ステロイド薬の注射を用います。痛みや炎症が治らない場合や、再発を繰り返す時には手術が検討されます。手術では、炎症のある腱鞘を切り開き、腱への圧迫を取り除くのが一般的です。

手術は局所麻酔で行われ、日帰りで受けられます。切り開いた腱鞘は自然に再生し、新しい組織で覆われます。その後、腱鞘炎が再発することは少ないようです。

 

 

手根管症候群

⚫️手根管とは??

手根管は、手のひら側の手首に近い部分にある、靭帯で囲まれたトンネル状の空間で、中を神経と腱が通っています。手根管に炎症が起こり、この神経が圧迫されてしびれや痛みが生じるのが手根管症候群です。

手根管症候群の多くは、原因不明の『特発性』といわれています。

わかっている原因の一つには、女性ホルモンのの分泌の乱れによるむくみがあります。

このため、更年期や出産前後の女性に多くみられます。

このほか、パソコンの操作などで手首を酷使する人、過去に手首の骨折を経験したことのある人、関節リウマチや糖尿病のある人、透析療法を受けている人などは、手根管症候群を発症しやすい傾向にあります。

 

⚫️夜間や早朝にしびれることが多い

主な症状は、親指から薬指までの指先を中心に現れるしびれです。最初は人さし指や中指を中心にしびれが現れ、親指や薬指の中指側にも広がります。夜間や早朝にしびれることが多く、むくみがあると強くなります。

手を振って血流が良くなると、症状は少し和らぎます。また、手に力が入らない、感覚が鈍いと感じる場合もあります。

そのままにしておくと指を動かしづらくなり、次第に親指の付け根の筋肉が痩せ、物をつまんだり指でOKサインを作ることなどが難しくなる場合があります。

セルフチェックをしてみましょう!!

 

ファーレンテスト

体の正面で、指先を下に向けて両手の甲を合わせ、1分間静止させる。手指にしびれが現れたり、もともと合ったしびれが強くなる場合は、手根管症候群が疑われる。

 

⚫️一般的な治療

手根管症候群の治療の基本は、手首の安静です。日常生活では、手首に負担がかかる動きを避けましょう。

軽傷であれば、手首の動きを制限する装具で効果が得られます。

Nshipでは、前腕屈筋群と伸筋群の柔軟性をあげるアプローチと、小指と親指の対立運動の改善が重要と考えています。

病院では消炎鎮痛薬やビタミン剤などによる薬物療法が並行して行われます。

それで改善しない場合は、手根管内にステロイド薬を注射します。

2ヶ月程度手首を安静にして、薬物療法を続けても症状が改善しなければ、手術を検討します。

手術では、靭帯を切開して神経の圧迫を取り除きます。

手のひらの皮膚を切開して行う方法と、小さく孔をあけて内視鏡を挿入して行う方法が一般的です。

切開した靭帯は、ほかの組織自然に覆われ、2ヶ月程度で握力が回復、3ヶ月から半年ほどたつとしびれも改善します。

 

その他の手指のトラブル

⚫️変形性指関節症

指関節の軟骨がすり減り、骨と骨が直接ぶつかるようになって、腫れや強い痛みが起こります。進行すると指が変形することがあります。

40歳以上で手仕事を続けてきた人に多く、指の怪我の後遺症でも起こります。

女性の場合、女性ホルモンのバランスの変化が関係しているとも考えられます。

 

⚫️へバーデン結節

指の第一関節に起こり、関節が不安定になりぐらつく。爪の根元付近に水ぶくれができることもあります。

 

⚫️ブシャール結節

親指以外の第二関節に起こり、特に中指と薬指に多い。へバーデン結節を合併する人もいます。

 

⚫️デュピュイトラン拘縮

男性に多く手のひらに小さなこぶのようなものができ、皮膚がひきつれるのに伴い、指が曲がってくる病気です。多くは薬指や小指にみられます。

手のひらの『腱膜』が厚くなることで起こりますが、はっきりとした原因がわかっておらず、遺伝的要因の影響や生活習慣が要因と考えられています。

 

⚫️関節リウマチ

女性に多く、手指や足などの関節に腫れや痛みなどが起こります。何らかの理由で免疫の働きに異常が起こり、自分自身の体の組織を攻撃してしまうのが原因です。

発症は30〜50歳代の女性に多いのですが、70歳代以上での発症も少なくありません。

 

⚫️ガングリオン

関節の近くに、ゼリー状の物質が詰まったこぶ状の膨らみができます。

これは関節を覆っている袋の一部が傷ついて生じます。こぶはピンポン玉くらいに大きくなることもあり、神経を圧迫すると痛みが現れます。

ガングリオンは自然になくなることもあり、痛みがないのなら、そのままにしておくことも多いです。