足の痺れ 部位別の特徴

お知らせ

足の裏が痺れる

どこが痺れているか範囲を見極める

□足裏の前方が痺れる『足根管症候群』

足裏の前方部分の痺れは、足根管症候群が原因で起こっている可能性があります。(下図参照)。

初期に足の指先だけが痺れることもありますが、進行すると足裏の前方部分などに痺れや痛みが出るようになります。

原因はいくつかあります。加齢による筋肉の衰えや骨の変形で扁平足になることや、足首に負担がかかる歩き方をすることによって、神経が圧迫されることがあるほか、ガングリオンというこぶや、動脈硬化によって蛇行した血管が神経を圧迫することもあります

□足裏全体が痺れる『糖尿病性神経障害』

足裏全体の痺れは糖尿病性神経障害が原因で起こっている可能性があります。

糖尿病性神経障害による足の痺れは、足裏から足首の下辺りまでに現れるのが特徴です。ただ初期段階では、指先だけが痺れて、足根管症候群のように見えることもあります。

足裏が痺れる場合の治療法

□足根管症候群の治療

⚫︎薬物療法

消炎鎮痛薬や神経障害性疼痛治療薬によって、痺れや痛みを緩和させます。さらに、ビタミンB12製剤で神経細胞の修復や保護を促します。

痛みがひどい場合には、神経ブロック注射を行うこともあります。

⚫︎装具療法

扁平足などが原因の場合に行います。足底板という靴の中敷のような治療用装具を使用し、足根管での神経の締めつけを軽減させます。

⚫︎手術

神経を圧迫しているこぶなどがある場合には、手術で取り除きます。こぶがない場合でも、神経のへの締めつけをなくすために、周囲の組織を切り離したり、血管の位置を移動させたりする『神経剥離術』を行うことがあります。

⚫︎Nshipでの治療

骨盤を含めて、全身のバランスを見ていきます。

骨盤が前に倒れているか後ろに倒れているかで、足首の位置が変化するためです。

足首や足の指をの位置異常を分析し整えること、筋肉のポイントしてふくらはぎの内側に走る後脛骨筋に対して、重点に緩めていくことが最も大切です。その他には、母指外転筋・長母指屈筋・長指屈筋に対してもアプローチを施し、セルフケアの提案に持っていきます。

□糖尿病が原因の場合

消炎鎮痛薬や神経障害性疼痛治療薬による治療を行います。

糖尿病性神経障害に足の痺れがあると、傷があっても気付きにくく、また悪化しやすくなります。傷を見逃さないためには、毎日のフットケアが大切です。

・足に傷がないか、毎日朝と夜に入念に観察をする。

・足の傷で出血したときにすぐに気付けるように、明るい色の靴下を履きます。

・靴を履くときに異物が入っていないことを確認する。

・毎日ぬるま湯で足を洗って清潔を保ち、洗ったあとは保湿をする。

□足の指が痺れる『モートン病』

主に足の中指と薬指の裏や付け根辺りに痺れや痛みが起こる、モートン病という病気があります。足首から指先へと伸びている神経が、指の付け根にある骨の間に挟まったり、足の裏の靱帯に挟まったりして起こります。

この病気は、女性や高齢者に多いという特徴があります。女性に多いのには、幅の狭い靴や、踵と高い靴を履く機会が多いことが関係しています。高齢者に多いのは、加齢に伴う筋力の衰えにより、扁平足になったり、足の甲のアーチがなくなったりすることが多いためです。

そのような変化によって神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫を受けやすくなってしまいます。

□足の甲が痺れる『総腓骨神経障害』

総腓骨神経障害とは、すねの外側や足の甲に痺れが現れる病気で、膝の裏から膝やすねの外側を通って足の甲へとのびている総腓骨神経が障害されることが原因で起こります。

総腓骨神経はつま先を上げる筋肉を動かす働きがあるため、締めつけられると運動麻痺が起こり、うまく上げられなくなることがあります。つま先が地面や段差にぶつかって転倒しやすくなります。

□太ももが痺れる『外側大腿皮神経障害』

太ももの外側の皮膚の感覚を伝える神経が障害され、太ももの外側から前側辺りが痺れる病気です。神経が筋肉や靱帯に挟まり、締めつけられて起こります。

症状には個人差があり、感覚が鈍くなる人もいますし、反対に感覚が敏感になって痛みを感じるという人もいます。焼けるような熱を感じる人もいます。

外側大腿皮神経障害では、間欠性跛行という特徴的な症状が現れることがあります。歩いていると痺れが現れて、休むと治るものの、歩き始めるとまた痺れが現れるというものです。

間欠性跛行は、総腓骨神経障害でも現れますが、腰の病気でもある腰部脊柱管狭窄症でも現れる症状です。原因が腰と足のどちらにあるのかを見極めることが重要です。

原因によって異なる治療法

足の痺れの原因が明らかな場合は、それを見直します。幅の狭い靴や踵の高い靴、きついストッキングやハイソックス、下着、ズボンなどは止めるようにします。

薬物療法では、消炎鎮痛薬や神経障害性疼痛治療薬で、痺れや痛みを軽減させたり、ビタミンB12 製剤で神経の修復を促したりします。モートン病や外側大腿皮神経障害に場合には、神経ブロック注射を行うこともあります。

モートン病の治療では、足底板を使用することもあります。指の付け根部分を高くすることで、足の横方向のアーチを矯正して神経への圧迫を取り除きます。

どうしても改善しない場合には、神経の圧迫をとる手術を行う場合もあります。

□腰が原因で足が痺れる 腰部脊柱管狭窄症

足の痺れは、足ではなく腰に原因があることもあります。腰に原因があって足に痺れが起こるものの一つに、腰部脊柱管狭窄症があります。

⚫︎腰部脊柱管狭窄症とは

脊柱管狭窄症は、脊柱管が狭くなってそこを通る神経が圧迫され、足に痺れや痛みなどの症状が起こる病気です。

腰に異常が起こっているのに足に症状が現れるのは、腰にある脊柱管を通る神経が足につながっているからです。

5つある腰椎のうち、上から3番目辺りまでで神経が圧迫されると、太ももに症状が現れます。

4、5番目の腰椎や、その下の仙骨の辺りで圧迫されると、膝から下や足先に痺れなどの症状が現れます。

足の痺れには個人差があり、ジーンと痺れるという人もいれば、ピリピリする、チクチクすると表現する人もいます。歩くときに足の裏に布が1枚貼りついている、砂利の上を歩いているなどと感じる人もいます。

後屈する(背中を反らせる)と痺れや痛みがでたり、背伸びができなくなるなどの症状が見られます。

⚫︎大きな特徴は『間欠性跛行』

腰部脊柱管狭窄症では、間欠性破行が現れます。間欠性破行とは、歩いたり、ずっと立っていたりすると痺れや痛みが現れ、しばらく休むと楽になるものの、再び歩き始めるとまた痺れるという症状です。座っていたり、寝ているときは症状が出ないのが特徴です。

セルフチェック

5つのチェックで早めに気付く方法

①立っていると足が痺れる

②歩いていると足が痺れる

③後屈すると痛みや痺れがでる、または背伸びができない

④前かがみになると楽になる

⑤ちょっと休むとまた動けるようになる

①と②は腰部脊柱管狭窄症の代表的な症状です。③の姿勢では脊柱管は狭くなります。①〜③があれば要注意です。④と⑤は間欠性破行の特徴です。

□腰部脊柱管狭窄症の治療

腰部脊柱管狭窄症と診断された場合は、病院でまず行われるのは、薬物療法と運動療法です。

薬物療法では、消炎鎮痛薬によって痺れや痛みを抑えます。神経周囲の血流の低下が痺れや痛みの原因となることがあるので、血管拡張薬を使うこともあります。また、痺れは神経が傷んでくると起こりやすくなるので、神経を保護する働きのあるビタミンB12製剤も使います。

痛みがひどい場合には、神経ブロックという治療が行われることがあります。これは、神経の周りに麻酔薬と炎症止めの薬を注射する治療です。

薬物療法や神経ブロックを行っても、痺れや痛みを抑えることができなかったり、生活に支障がでている場合は、手術を検討する場合があります。特に痺れや痛みに加え、排尿や排便のコントロールが難しい場合や、足の筋力低下が起こっている場合は、手術しても改善が見込めない場合があります。

□Nshipでの治療

腰部脊柱管の場合は、不良姿勢が顕著に見られます。骨盤が後ろに倒れ、胸腰椎も後湾になります。そのため頭部を前方にだして、バランスをとるような姿勢です。足は踵重心〜膝関節を軽く曲げた状態で固まってしまいます。

固さが優位になるところは、頚部側面・腹部・大腿部後面・ふくらはぎ

緩さが優位になるところは、臀部・太もも内側・背筋

この問題に加え、ほとんどの症例で足首から足の指の機能不全に陥っています。

股関節を後ろに引く動きと骨盤を内側に締める動きの可動性をだしていくのが大きなポイントです。