綺麗な姿勢って??
『きれいな姿勢』ってなんだと思いますか??
パッと頭に浮かぶのは、胸を張り、背すじがピンと伸びて直立した姿勢といったところではないでしょうか。ですが、この姿勢は決して理想的な姿勢とは言えないです。
姿勢の基本は立っている状態を指します。そのうえで良い姿勢を定義すると、真横から見たときに耳たぶ(耳垂)から肩のてっぺん(肩峰)、股関節の真横(大転子)、膝の前側(膝関節前部)、外くるぶしの前側(外果前部)が床から垂直に一直線上に並んでいることです。
その時に頚椎は前方に弯曲し、胸椎は穏やかに後弯、その下の腰椎は前弯しています。
つまり首から股間までを貫く脊椎が、緩やかにS字カーブを描いている状態が理想です。その脊椎をした支えする骨盤はやや前傾、30度傾いているのが理想です。
これが良い姿勢である理由は、カラダへの負荷が少なく、最小限のエネルギーでキープできるからです。しかし現実にはほとんど人がこの状態からは外れており良い姿勢に当てはまりません。人間のカラダは頭部と体幹、上肢、下肢と各部を繋ぐ関節のアライメントと、その周りを筋肉が支えることで成り立っているが、生活習慣や既往歴、スポーツ経験などによって崩れてしまっています。
姿勢の肝となる脊椎のS字カーブは、周りの筋肉の状態によって部位ごとの彎曲が変わってしまい、本来の形をキープできなくなってしまいます。例えば悪い姿勢の入り口となる猫背を分析すると、僧帽筋上部と胸まわりの筋肉が硬く、逆に首の前側の深部筋や僧帽筋下部、その内側にある菱形筋の強度が低いことで発生する傾向があります。
筋肉は使わないと弱くなり、使いすぎると硬くなるという性質があります。
運動不足やパソコンやスマホの長時間利用などが原因で、こうした筋肉のアンバランスはカラダの各部で起こっています。だから硬い筋肉は意識的にストレッチやマッサージなどでほぐし、弱い筋肉は鍛える必要があります。
姿勢を根本的に解決する鍵は、筋肉と骨盤、足趾を含めた骨格です。特に大事なのは、重力に抗って姿勢を維持するべく機能する抗重力筋で、簡単にいうとカラダの前後で立位姿勢を支えている筋肉です。
これを本来の状態に戻せば自然と良い姿勢が作られるはずです。
主な抗重力筋は下図のイラストの通りです。特に背中側の筋肉は、人間が四つ足から二足歩行になる進化の過程で発達して立位を保てるようになったこともあり、姿勢維持に大きく影響していると考えられます。
抗重力筋の多くは中枢部に位置する意識しづらい筋肉であるため、定期的なトレーニングを重ね無意識のうちにキープできるようにすることが必要です。
また、表層筋の鍛えすぎや動作に偏りがあるスポーツによって筋肉のバランスが崩れることもあるので、鍛え方も気をつけないといけません。
姿勢が良くなると自ずと呼吸もしやすくなり、メンタルにも良い影響が出ます。
姿勢を良くするということは、実は心身にもメリットだらけです。
セルフチェックのポイント
普段の姿勢を見るために、まずは10歩ほど足踏みをしましょう。
真横、真正面、真後ろこれを基本姿勢とします。
顔のかたち、カラダつきが一人ひとり違うように、姿勢も十人十色です。姿勢も個性の一つですが理想から大きくかけ離れた不良姿勢はなるべく早くリセットしておくべきです。
せっかく鍛えても綺麗な体にはなりません。放っておくと肩こりや腰痛も招きやすくなります。
典型的な不良姿勢には真横から見て①スウェイバック②フラットバック③スーパーSの3つがあります。
さらにそれぞれ真正面と真後ろからみてCカーブとJカーブがあります。
姿勢の乱れは長年の日常習慣や、スポーツ歴、既往歴に起因します。
6タイプのうちどれに当てはまるのかチェックしましょう。
初めに真横から見たときの背骨のカーブと骨盤の傾きから、スウェイバック、フラットバック、スーパーSという3大タイプに分類します。
スウェイバックは猫背で肩こりに悩まされやすいのが難点。骨盤が後傾しており、O脚にもなりやすいです。
フラットバックは背中が平らで、ストレートネックに陥りやすいです。背骨のS字カーブが消えかけ、スプリング機能が落ちて全身の負担になりやすいです。
スーパーSはフラットバックと真逆で背骨のカーブが強いです。腰痛になりやすく、骨盤が前傾してX脚にもなりやすい。
次に真正面と真後ろから見たときの胸郭と骨盤の傾きから、CカーブかJカーブに分類する。Cカーブは胸郭と腰椎が近づいて背骨がC形に。Jカーブは胸郭は割とまっすぐだが、骨盤が左右どちらかにズレています。
不良姿勢がどのタイプかわかったら、それに対して矯正するエクササイズに取り組む必要があります。簡単に言うと硬く縮んだ筋肉をほぐして、伸びて弱くなった筋肉を鍛える必要があります。
『スウェイバック』
座ってパソコン作業などで前傾を続けるとスウェイバックになりやすいです。上半身は猫背になり、骨盤が後傾して腰椎の前弯が弱くなります。
猫背だと上半身が後ろの移動し、肩甲骨が背骨から離れて胸の大胸筋が硬くなり、肩甲骨を寄せる背中の僧帽筋と菱形筋が弱くなります。
骨盤が後傾すると股関節が伸び、太ももの後ろ(ハムストリング)、お腹の内腹斜筋が硬くなり、股関節を曲げる、腸腰筋、お腹の外腹斜筋が緩んで弱くなります。
『フラットバック』
痩せ型で筋力が弱く、暇さえあればスマホを見ている。そういうタイプが陥りやすいのがフラットバックです。
『背中が平ら』な姿勢ですが、骨格を見ると緩やかなS字カーブを描くべき背骨全体がほぼほぼまっすぐになっています。首周辺に不調を及ぼすストレートネックの背景にも、フラットバックがあります。
自然なS字カーブを取り戻すために、背骨とそれに一体化している骨盤のポジショニングを左右している筋肉にアプローチをしていきます。
『スーパーS』
姿勢の要である背骨は、真横から見ると緩やかなS字カーブを描きます。
そのカーブが強くなり過ぎるのが、スーパーSです。
骨盤が深く前傾して反り腰になるのが特徴です。さらに胸郭の位置も全体的に下がっています。
スーパーSは背骨のカーブが通常よりもキツくなっているだけに、肩こりや腰痛といった慢性的な悩みを引き起こしやすいです。
6タイプの不良姿勢のうちどれかにあてはまったも、共通しておすすめなのが、ストレッチとトレーニングを続けることです。単発では、効果はありません。
しっかりとご自身の特徴を知って最適な方法でアプローチ続けることです。食生活と同じイメージです。
姿勢を正常化するために必要なのはストレッチとトレーニングの最強タッグです。その効果を最大限に引き出すために、事前に関節や筋肉をほぐしてカラダが動きやすいようにする必要があります。
姿勢を左右しているのは、背骨と骨盤と肩甲骨、それに肩関節と股関節と足趾です。姿勢を正すためのストレッチ&トレーニングでは、これらの骨の連なりや関節の稼働に関わる筋肉にアプローチをします。
不良姿勢を長年続けていると、こうした関節や筋肉の動きが、まるで錆びついたように硬く悪くなり、せっかくトレーニングをしても成果が得られないケースがあります。
まずは、主要な筋肉をゆるめるように取り組みましょう。
また、Nshipでも姿勢診断は可能です。ご希望の方は問い合わせください!!